さつこマンのタロットリーディング・ワンオラクル編
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
私は最近本格的にタロットの勉強をしはじめたのですが、やっと自分なりの言葉が引き出せるようになってきました。
というわけで、今回は「実際のリーディングをどんな風にやっているか」を、備忘録がてら紹介しようと思います。
「最近疲れている自分に、なにかアドバイスをお願いします!」とカードを引きました。
今回使ったのは「ワンオラクル」という、1枚だけカードを引くいちばんシンプルなスプレッドです。
「スプレッド」というと、プロの占い師さんが何枚もカードを広げて神妙な感じでやるやつもありますが、今回はズバリ!と1枚。
出たのはペンタクルの2。正位置と呼ばれる、絵柄の天地が上向きの状態です。
「ペンタクル」は見て分かる通り金貨のイラスト。お金や物質そのそのだけでなく、それがもたらす豊かさも意味します。
「この人はなんとなくゆらゆらと揺れていて不安定そう……。でも両手でしっかり金貨を持っているから、物事をうまくコントロールできているんだな!」と感じます。
アドバイスをお願いしたので、第一印象だと「バランスの良い食事を心がけよう」とか、そんな感じがしました。
ここでテキストを参照します。すると、「この人は柔軟に物事をこなしている人」とあり、アドバイスとしては「気楽に過ごして」や「ゲーム・エンターテイメント」などのフレーズがありますね。
なので、「少し気を張りすぎているのかも?ゲームなどをして、あまり考え込みすぎずに過ごしてみては?バランスの良い食事を心がけよう」というリーディングをしました。
とまあ、普段はこんな感じでやっております。
タロット占いというと、お堅い印象や怪しい印象を持つ人も多いかもしれませんが、あくまで「自分と会話するきっかけ」ですので、興味がある人は気楽に挑戦してみるのがいいと思います。
良きタロットライフを!
さつこ流「プレイヤーキャラクター」作成のコツ
皆さんお疲れ様です。
というわけで、「TRPG Advent Calender 2021」向けに記事を書くことにしました。テーマは「プレイヤーキャラクター作成のコツ」です。
最近はGMをやらせていただく機会も増えてきましたが、意外とプレイヤー向けの記事ってない気がしたので。
ちなみに今日(執筆日)は17日です。もう年末ですね。
TRPGの大原則「セッションは”みんなで”楽しむもの」
ここでまず重要な「これ」を思い出しておきましょう。
近年のシステムではルールブックにまず書いてあることが多いですが*1、PvP・対立などの場合でも忘れてはならないことですね。
「みんな」の中には進行役である「ゲームマスター*2」も含まれます。
ですので、ゲームマスターさんを困らせるようなキャラクター、例えば「何かを調べるのが目的なのに、調査に協力しない」のようなことは避けましょう。
「でも、ツンデレとかやりたい!」の場合はどうすればよいか?
「弱点」を作る
です。
どういうことかというと、「このキャラクターは○○」という、キャラクター的に突かれたら困るポイントを作って、わざとバラしてそこを突いてもらいましょう。
例を挙げると、
・「お金に困っている」というポイントを作って、「このキャラクターはお金に困っているので、依頼料をたくさん積まれたら嫌でも受けます」とぶっちゃける
などです。
プレイヤーとして参加するうえで大事なのは「セッションの進行を助ける」ことですので、こういう「ぶっちゃけ」はおすすめです*3。
次は実際にキャラクターを作る時のコツを見ていきましょう。
難易度の低いおすすめは「○○が”好き”」
です。
分かりやすい例だと、
・食べ物
・特定の物を大事にしている
ですかね。
こういう「ポジティブに動かせる動機」は比較的やりやすいです。キャラクターを動かすプレイヤーも積極的になれるので。
例えば「チョコレートが好き」なら「チョコレート」を理由にして依頼を受けることもできますし、ロールプレイの中で「チョコレート食べたいなー」などと言わせてみることもできます。
「万年筆を愛用している」なら、「胸ポケットの中やカバンの中の万年筆を確認する」というしぐさに利用することも可能です。
ちょっと難しいけど「”弱み”」
も面白いです。
例えば、
・知られたくない秘密を握られている
・特定の食べ物が苦手
・お金に困っている
などです。
なぜこれが「難しい」かというと、「キャラクターが積極的に動くわけではないので、プレイヤーが考えることが多い」からです。
先ほど「お金に困っている」キャラクターの例を出しましたが、この場合だと「5W1Hで理由を考える」までしておかないと、ちょっとロールプレイがしにくいですよね?
一口に「お金に困っている」と言っても、
・養護施設で育って、普段はバイトに明け暮れている大学生
と、
・安定した収入を得ていたが、職を失ってしまった中年の男性
とかまで考えて、しかもそれに関するロールプレイもしないといけないですね。なので「ちょっと難しい」わけです。
最後に:大事なこと
というわけで、さらっとですがいかがでしたでしょうか。
一番大事なのは「みんなが楽しめること」です。
セッションの他の参加者さん、ゲームマスターさん、いろいろな方が同じ卓を囲むわけです。
なので、ちょっと変わったことがやってみたい!なんて時は「相談」を積極的にしちゃいましょう。
人それぞれ、好き嫌いは様々ですからね。
というわけで皆さん、よきセッションを!
P.S.
報告・連絡・相談はなるはやでしてもらえるとゲームマスターはものすごく助かります。いやマジで。
『『ポケットモンスター 赤・緑』が18歳以上に』はホント?
新たなレーティング規定により、『ポケットモンスター 赤・緑』が18歳以上にhttps://t.co/S3rI9S0v3E #Pokemon #ポケモン #ポケットモンスター pic.twitter.com/E6ZPzt5aFb
— ニンテンドーエブリー (@nintendoevery) 2021年9月6日
ちょっと話題になってたこの記事について調べてみました。
ソースである「ask about games」では「ギャンブル要素を含むゲームはPEGI(ヨーロッパのゲームレーティング団体)において18+として扱われることとなった」とありますが、追記で「過去のゲームに直ちに遡及して適用されるものではない(注:例えば「現代の基準に合わせた修正がなされていないまま再販売される」といった場合は適用になる模様)」とされています。今後発売されるゲームへの適用であることを紹介した記事のようでした。
なお、紹介されている『ポケットモンスター 赤・緑』ですが、2016年の3DSバーチャルコンソール版の発売時に「PEGI 12」としてレーティングされており、PEGIのサイトで検索したところ、現時点でレーティングの引き上げなどの変更はないようです。
現状のPEGIレーティングについては、こちらの論文により詳しく掲載されています。
「ニンテンドーエブリー」さん含め、個人の翻訳系ブログへの反応には慎重になった方がいいな、というのが今回の実感でした(幸いというか、一応「エブリー」さんも訂正文を掲載しておられますが)。
ただ、「エブリー」さんの該当記事のタイトルの印象のせいか、思ったより拡散されているようで、「エブリー」さんが想定していたかどうかも含め、変な印象が付いて回らないかは心配です。
しかし、英語記事の中身を読むと分かりますが、『赤・緑』に関してはそもそも例示すらされておらず、ある種「飛ばし」に近い記事が拡散されてしまった形になりますので、今後の情報に関しては注視したいと思います。
森下直貴・佐野誠『新版 「生きるに値しない命」とは誰のことか』(中公選書)
「ナチス安楽死思想の原典」とされる文章に著者2名の「批判的考察」を加えた本作、「あえてナチズムのにおいを拭い去り、真正面から原典に向き合う」という意図も含め、むしろ現代においてこそ読まれる価値はある。
いわゆる原典とされる「生きるに値しない命を終わらせる行為の解禁」では、文字通り「生きるに値しない命」とされた者、特に「精神遅滞」「白痴」の者への差別的理論が、2名の著名な学者によって展開された、という事実に驚く。法律家のビンディングの「理論的」な見解を、医師であるホッヘは止めるどころかむしろ「同意」している節さえある。両者の見解は異なるとはいえ、「生きるに値しない命を終わらせる行為は、生きながら苦痛を受ける者への慈悲であり、『社会的お荷物』をいかにして終わらせるかは、とても意義のあることである」という点では一致している。
これに対して、法学者である佐野氏は「この思想・著作を『ナチズムのもの』のみとして終わらせることなく、我々は常にこうあってはならないことを胸に刻み続けるべきだ」とする。
一方森下氏は、「老成学」という新たな見地から、特に橋田壽賀子氏への批判を交えつつ、「生きることは『コミュニケーション』であり、老い、死ぬ様をいかにして生きるか、が重要である」と説く。
20年前に出版され、一時は絶版ともなった『「生きるに値しない命」とは誰のことか』が、こうして現代に蘇り、読まれることの価値は十二分にあるといえよう。我々はいつも、誰かを無意識に「選別」してしまってはいないだろうか。やや難解ではあるが、読む意義はある。
『モノトーンミュージアムRPG』既刊ルールブック紹介(2021年3月現在)
『モノトーンミュージアムRPG』とは?
――ここは人々のあるべき姿を示した天啓「御標(みしるべ)」が下され、人々がそれに従って生活する世界「左の地」。
絶対不可侵の「柔らかい水」によって分かたれた先にある「右の地」には「神」が住んでいると言われているが、いまだそこに到達した者はいない。
「御標」は神がもたらし、それに従うことにより人々は幸福に生きることができるとされる。逆らえば「異形」と化すため、人々は従わざるを得ないのだ。
しかし、「御標」を自らの意思で歪める存在がいる。それが「伽藍(がらん)」である。彼らは自らの思うがままに「御標」を下し、人々を恐怖に陥れるのだ。
プレイヤー*1は、自らの意思によって「御標」に逆らい、異形と化すことのなかった異能の使い手「紡ぎ手」となって物語を作り上げていくこととなる。
『モノトーンミュージアムRPG』(2011年8月発売)
通称「基本ルールブック*3」「基本」。公式略称「MM」。
一番最初に出た、文字通り「基本」といえるルールブックである。
掲載リプレイ*4:なし
掲載クラス*5:戦人(いくさびと)、賢者、術者、僧侶、日陰者、童子、旅人、裁縫師、貴人、からくり、其達(それら)、異形、不死者
掲載シナリオ*6:「森の少女と優しい龍」(プレイヤー5人用)
リプレイ&データブック『インカルツァンド』(2011年11月発売)

モノトーンミュージアムRPG リプレイ&データブック インカルツァンド (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者:すがのたすく/F.E.A.R.
- 発売日: 2011/11/30
- メディア: 単行本
公式略称「IZ」。
「MM」発売から程なくして刊行された。「MM」掲載クラスの追加特技、追加逸脱能力が含まれ、いわば「上級ルールブック」に近い存在である。「MM」と並び、使用頻度が比較的高いため、遊ぶ回数が多いプレイヤーはもとより、「MM」にはないリプレイが収録されているため、初心者でも持っておいて損はないだろう。
掲載リプレイ:「幸福の国」
タイトルにもある「幸福の国」を舞台にしたリプレイ。「幸福の国」の住人「ミーシャ」、嘘つきな異形の紡ぎ手「ハーレクィン」、リンゴに目がないからくりの従者「ジョナサン」、「!?!?」なまさかの「アン・シャーリー」、というキャラクターが揃っているが、物語の中心となるPC*71「ミーシャ」の終盤での紡ぎ手への覚醒などの見所もあり、『モノトーンミュージアムRPG』の基本的な遊び方について知ることができる。
ゲームマスター*8は『モノトーンミュージアムRPG』を手がけるすがのたすく氏、その他、プレイヤーに、F.E.A.R.*9のリプレイへの参加歴があり、すがの氏・しの氏と親交の深い水野暁子(みずの・あきこ)氏、『モノトーンミュージアムRPG』のワールドセクション*10など多数の作品を手がける小太刀右京(こだち・うきょう)氏、TRPG『ダブルクロスThe3rd』のメインビジュアルなどを手がけるイラストレーターのしのとうこ氏、『モノトーンミュージアムRPG』の根幹でもある「スタンダードRPGシステム(SRS)」*11の制作者でもあり、数々のTRPGを世に送り出してきた井上順弌(いのうえ・じゅんいち)氏を迎えている。
ゲームマスター:すがのたすく プレイヤー:水野暁子、小太刀右京、しのとうこ、井上順弌
追加クラス:狩人、従者、職工、海守り(うみもり)
追加特技*12:「MM」掲載クラスすべてに追加特技あり、追加一般特技あり
追加逸脱能力*13:あり
追加装備*14:あり
掲載シナリオ:「空に魚の飛ぶ街で」(プレイヤー5人用)
リプレイ『常闇のシェヘラザード』(2012年6月発売)

モノトーンミュージアムRPG リプレイ 常闇のシェヘラザード (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者:すがのたすく/F.E.A.R.
- 発売日: 2014/12/13
- メディア: Kindle版
公式略称「TS」。
『モノトーンミュージアムRPG』としては初めてとなる、リプレイが2話収録された書籍。2021年現在、単行本は品切れ・重版未定となっており、電子書籍での購入が実質的に唯一の入手手段である。
掲載リプレイ:第1話「姫と野獣」・第2話「常闇のシェヘラザード」
芸術家達が暮らす「筆音の国」を舞台にした、連続で同じキャラクターを使用する「キャンペーン」によるリプレイが2話収録されている。
ただ己の復讐のためのみに生きる男「アクタ」、左の地の中心都市「聖都」を追われて「筆音の国」にやってきた深窓の令嬢「ミラ」、不死者の子供を授かったまま年を取った、聖都に秘密裏に存在する紡ぎ手の僧侶集団「神羅手衆(かんらでしゅう)」の老婆「イエラ」、「筆音の国」に住まう高名な絵本作家の龍「アルヴィング」という、『インカルツァンド』のリプレイ以上に個性的な面々が集う。PC1らしからぬPC1「アクタ」の変化など、見所もたくさんだ。
ゲームマスターはすがのたすく氏、プレイヤーは、ゲーム『デモンベイン』シリーズのシナリオライターである鋼屋ジン(はがねや・じん)氏、「IZ」の「幸福の国」に引き続いての参加となるしのとうこ氏、F.E.A.R.作品のリプレイにも多数参加する漫画家のツジヤスノリ氏、TRPG『ビーストバインド トリニティ』などを手がけ、『モノトーンミュージアムRPG』ではデータ作成を担う重信康(しげのぶ・こう)氏である。
ゲームマスター:すがのたすく プレイヤ-:鋼屋ジン、しのとうこ、ツジヤスノリ、重信康
追加クラス:芸術家
追加特技:なし
追加逸脱能力:なし
追加装備:あり
掲載シナリオ:なし
リプレイ&データブック『トレイメント』(2016年6月発売)
公式略称「TM」。
本作により、ゲームマスターとプレイヤーの対話によってシナリオをその場で作成してプレイする「シナリオクラフト」ルールが追加。演目や御標のランダム表、ボスキャラクターのテンプレートが掲載されており、シナリオの自作にも利用可能である。より遊び方を深めたい人におすすめの一冊だ。
掲載リプレイ:「アンティキラの歯車」
歯車仕掛けの時計の中にある「アンティキラの街」を舞台にしたリプレイ。経験点*15を80点追加して作成されたキャラクターたちによる、ややテクニカルな一作である。
キャラクターは、記憶喪失の屍人(しびと)の少女「アニマ」、「アンティキラの街」のなんでも屋の青年「クワイア」、クワイアの付き人(?)であり自ら「この街の最高傑作」を自称するからくり「ガクタ=ラクタ」、紡ぎ手でありながら紡ぎ手を狙う、聖教会の異端審問局「御神槌衆(みかづちしゅう)」の僧侶「ロージナ」。「TM」の追加クラスである「屍人」をPC1の設定に組み込むなど、プレイヤーとしてもゲームマスターとしても大いに参考になるだろう。
本作のゲームマスターは小太刀右京氏、プレイヤーは、ライター・小説家の桜井光(さくらい・ひかる)氏、『ダブルクロスThe3rd』のリプレイなどを手がける加納正顕(かのう・まさあき)氏、「TS」に続き二度目の参加となる鋼屋ジン氏、そしてリプレイのプレイヤーとしては初参加となるすがのたすく氏である。
ゲームマスター:小太刀右京 プレイヤー:桜井光、加納正顕、鋼屋ジン、すがのたすく
追加クラス:屍人、渡り
追加特技:追加一般特技あり
追加逸脱能力:なし
追加装備:あり
掲載シナリオ:なし
リプレイ&データブック『フィオリトゥーラ』(2018年9月発売)

モノトーンミュージアムRPG リプレイ&データブック フィオリトゥーラ (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者:すがのたすく/F.E.A.R.
- 発売日: 2018/09/29
- メディア: 単行本
公式略称「FT」。
「鮮やかな色彩」がテーマの一冊であり、ユーザーからの投稿を随所に採用しているのが、既刊と異なる「FT」最大の特徴と言えよう。既刊(「TS」・「ゲーマーズ・フィールド」誌を除く)のサンプルキャラクター*16の改訂版「2.0」も収録されている。
掲載リプレイ:「標知らずと夢幻の灯(しるべしらずとむげんのひ)」
『モノトーンミュージアムRPG』史上初となるプレイヤー2人による少人数のリプレイ。
キャラクターは、山奥の部族の狩人の少女「ノンノ」、日夜死ぬことばかり考えている年齢不詳の不死者の青年「エル」。「FT」追加クラスである「稀人」をメインに据えており、「PC1「ノンノ」が『御標』について知らない」という一風変わった本作だが、それぞれのキャラクターとしての変化が注目である。
ゲームマスターはすがのたすく氏。プレイヤーである、冒険企画局*17所属の「旅するゲームマスター」であり、TRPG『ブラッドムーン』のサプリメント『ギルティウィッチーズ』や数々のシナリオを手がける桜葉星菜。(さくらば・せいな)氏、「TS」に続き二度目の登場となる重信康氏の両名による掛け合いの妙が見所だ。
ゲームマスター:すがのたすく プレイヤー:桜葉星菜。、重信康
追加クラス:稀人(まれびと)、道化
追加特技:なし
追加逸脱能力:あり
追加装備:あり
掲載シナリオ:「恐怖のからくり実験博士!」(プレイヤー3人用)
リプレイ&データブック『アル・リヴェルソ』(2020年9月発売)

モノトーンミュージアムRPG リプレイ&データブック アル・リヴェルソ (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者:すがのたすく/F.E.A.R.
- 発売日: 2020/09/30
- メディア: 単行本
公式略称「AR」。
『モノトーンミュージアムRPG』史上初めて「悲劇」という重いテーマを扱った一冊。俗に「しんどい」「辛い」と言われる演目の扱い、ゲームマスターによるプレイヤーのケア、何よりプレイヤーによる自身のケアへガイドが割かれており、そういった演目を扱いたいゲームマスター、何よりそういった演目を遊びたいと願うプレイヤーへ向けられた一冊である。また、『モノトーンミュージアムRPG』では初めてとなる、演者レベル*187の「高レベルサンプルキャラクター」11体も、「成長」をコンセプトにしたイラスト共々、一見の価値あり。
掲載リプレイ:「終曲の月に虚獣は吠え(しゅうきょくのつきにきょじゅうはほえ)」
演目のギミックにより「PC1が最終的に伽藍化*19し、救済が不可である」ことがあらかじめ確定している刺激的な一作。『モノトーンミュージアムRPG』の公式リプレイでは初めて「キャラクターのロスト」を意識的に扱った物語だが、「特殊ギミックのシナリオへの導入」を試みるゲームマスターには大いに役に立つだろう。
キャラクターは、PC2「ルナローズ」に仕える悲劇の主人公の少年「ルーク」、そんなルークを心から信頼する聖都の令嬢「ルナローズ」、南部紛争地帯出身の聖都の騎士「フラヴィア」、異端信仰の里からやってきた稀人の青年「リョクレン」。
漫画『真夜中のオカルト公務員』の著者であるたもつ葉子氏がPC1を、冒険企画局所属の桜葉星菜。氏がPC2を務め、その他のプレイヤーも「悲劇が大好き」というそうそうたる面々。その終幕を、しかと目に焼き付けて欲しい。
ゲームマスター:すがのたすく プレイヤー:たもつ葉子、桜葉星菜。、嶋田夕里(しまだ・ゆうり)、遠江雫(とうとうみ・しずく)
追加クラス:なし
追加特技:既存の全クラスに追加特技あり、追加一般特技あり
追加逸脱能力:あり
追加装備:なし
掲載シナリオ:「天梯の墓標(てんていのぼひょう)」(プレイヤー5人用、高レベルサンプルキャラクター使用、上級者向け)
関連リンク
F.E.A.R.の公式サイト。各種シート類、エラッタ(訂正事項)、オンラインセッション用素材などが掲載されている。
*1:プレイヤー:TRPGにおける参加者のこと。進行役である「ゲームマスター」と、自らキャラクターを作成して参加する「プレイヤー」というふたつの立場が存在するが、単に「プレイヤー」と言った場合、後者を指すことが多い
*2:TRPG:「テーブルトークRPG」の略称。プレイヤー同士の対話によって物語が進行し、戦闘や情報の調査などの「判定」の際にダイスを振り、その結果によって行為の成否を決めるのがデジタルゲームと大きく異なる点である。国内で有名なものとして『クトゥルフ神話TRPG』などがある。基本的に、対面でゲームを行う「オフラインセッション」が主流であったが、近年はPCなどから専用のセッションツールを利用して行う「オンラインセッション」も広まっている。本来TRPGを参考にコンピュータ向けのRPGが作られたため、海外では単に「RPG」と言った場合TRPGを指すことも多い
*3:ルールブック:ゲームの遊び方である「ルール」や、キャラクターの作成に使用する「データ」などが記載された書籍のこと
*4:リプレイ:TPRGをプレイする様子を戯曲風に書き起こした読み物。プレイヤーの会話と、それに対する情景描写の追加によって構成される
*5:クラス:キャラクターの大まかな特徴を表す分類のこと。これを選択することにより戦闘や情報の調査における向き・不向きなどが決定する
*6:シナリオ:具体的な物語の内容や進行を書き起こしたもの。「ゲームマスター」と呼ばれるプレイヤーはこれに沿って物語を進行していく
*7:PC:「プレイヤーキャラクター」の略称。プレイヤーが「セッション」に参加する際に作成するキャラクターのことである。『モノトーンミュージアムRPG』では、PCに付けられる簡略的な設定の方針を記載した「ハンドアウト」が配布され、一般的にはハンドアウトにおいてPCに付けられた番号の低い者の方が物語における重要度が高まるとされるが、PC番号が高いことが必ずしも物語における当事者性が低いことを意味するわけではなく、全員は等しく同じ物語の登場人物である
*8:ゲームマスター:TRPGにおいて、一つのゲーム「セッション」の進行役を担うプレイヤー。略称「GM」。TRPGのシステムによって呼称が異なる場合もある。『モノトーンミュージアムRPG』ではゲームマスターはキャラクターを作成しないが、れっきとした「プレイヤー」の一人である
*9:F.E.A.R.:「有限会社ファーイースト・アミューズメント・リサーチ」の略称。TRPGの制作集団であり、多数のTRPGに関わっている。代表は『トーキョーN◎VA』などを手がけた鈴吹太郎氏
*10:ワールドセクション:世界観について説明した章のこと。TRPGでは「ルール」や「データ」と並び、ゲームの根幹を成す重要な部分である
*11:スタンダードRPGシステム(SRS):(http://www.fear.co.jp/srs/top.htm)「標準化されたシステム環境を共同で利用する」ことを目的に作成されたTRPGのシステム(大まかな枠組みのこと)。F.E.A.R.でもこのシステムを利用して多数の作品が出版されており、規約に同意すれば誰でも利用可能である
*12:特技:プレイヤーキャラクターの技能のこと。『モノトーンミュージアムRPG』では、選んだクラスによって取得できる「クラス特技」と、クラスに関係なく取得できる「一般特技」の2種類に大別される
*13:逸脱能力:『モノトーンミュージアムRPG』において重要な立ち位置を担う能力。特技と違い、強力な効果を持つが、代償としてこの世界の理からの乖離を表す「剥離値」が上昇し、場合によってはキャラクターが「伽藍化」する可能性も伴う、文字通り危険な能力である
*14:装備:キャラクターが持つことのできる道具類のこと。武器や回復用のアイテムなどが存在する
*15:経験点:セッション終了時にプレイヤーに配布される点数のこと。いわゆる「経験値」のようなもの。『モノトーンミュージアムRPG』ではこれを消費することによってキャラクターの成長などが可能だが、経験点の消費にはセッションを進行するゲームマスターの許可が必要である
*16:サンプルキャラクター:あらかじめデータが作成された状態のキャラクターのこと。プレイヤーはここに年齢・性別などの設定を付けることによってキャラクターが完成し、データを作成する手間が省略できる
*17:冒険企画局:TRPGの制作集団。共通のシステム「サイコロ・フィクション」を利用したシリーズなどで知られる
*18:演者レベル:プレイヤーキャラクターの成長度合いを表す数値。プレイヤーはこのレベルの範囲内でクラスを選択することができる。『モノトーンミュージアムRPG』では、初期作成の場合「演者レベル」は3であるが、「経験点」を消費することにより「演者レベル」の上昇が可能である
*19:伽藍化:『モノトーンミュージアムRPG』では、セッションの終幕である「エンディングフェイズ」において、セッション中に上昇した剥離値を減少させる「剥離チェック」が行われるが、それが終わった時点で剥離値が10以上ある場合、PCは「伽藍化」し、その後はGMが管理するノンプレイヤーキャラクター(NPC)となり、PCとしては使用不可となる。PCの死亡に近く、実質的な「キャラクターのロスト」である
あけおめ
あけましておめでとうございます。
なんだかんだ「書こう書こう」と思いつつ数カ月サボり、わりとブログどころではなかった時期もあったが、ようやく。
UNIも家環境がぶっちゃけ良くないし、あまり非公式の家庭用対戦会もな〜と思って参加を渋ってしまった。多分腕は相当鈍っている。
頑張りたかったが、緊急ナンタララやらKSB中止やらアケ未定やらでモチベーションがだいぶ削がれたのかもしれぬ。コミュニケーションの媒体として楽しんでいたフシはあるな〜。
まあ、無事に生き延びられたことだし、今年も「なんとかなる」と思っていたらなんとかなるでしょう。
各位、やっていきましょう。